マージダ・エル・ルーミー「ベイルートが帰るとき」

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前文

この曲を港*1を目撃した人々、そして敬虔なレバノンの証人であるすべての人々に捧げます。
そして、不可能に立ち向かい、人々の意志に反する一連の犯罪的な謀略に耐え、この世の民衆が絶えることのできない恐怖を経験したレバノンの人々に捧げます。
私たちが祖国の安定と奪われた自由を近いうちに回復するという願いを込めて。
また、できるだけ早く、いと高き神の思し召しでベイルートが無事に戻ることを願いながら。

 

歌:マージダ・エル・ルーミー*2
歌詞:ニザール・カッバーニー*3
作曲:ヤフヤー・ハッサン

 

歌詞和訳

ベイルートがわたしたちのところに無事帰ってくるとき
わたしたちの知っているベイルートが帰ってくるとき
鳩が巣に帰るように帰ってくるとき

その時は旅の記録を海に投げ込もう
それから月の家に椅子を2つ借りて
一緒に時を過ごそう 一緒に時を過ごそう
ラブソングが実る場所で 樹木が育つ場所で

ああベイルート
この旅は一体どれほどわたしたちを疲れさせるのか
わたしたちを濡らしておくれ、濡らしておくれ
恋人たちの手紙で
雨樋で

美しいベイルートは再び破壊の手から逃れることができるのか
麦は海水から生える事ができるのか
それともたくさんの波とともにやってくるのか

わたしたちは再び詩を書くことができるのか
アーモンドの実の上に
綿雲の上に

ああベイルート
この旅は一体どれほどわたしたちを疲れさせるのか
わたしたちを濡らしておくれ、濡らしておくれ
ああベイルート
わたしたちを濡らしておくれ

ああベイルート
この旅は一体どれほどわたしたちを疲れさせるのか
わたしたちを濡らしておくれ、濡らしておくれ
恋人たちの手紙で
小鳥たちの歌で
雨樋で
わたしたちを濡らしておくれ

ああベイルート
一体どれほどわたしたちを疲れさせるのか
この運命は

*1:2020年8月4日に発生したベイルート港爆発事故を指す。この曲は2023年8月2日にYouTubeに公開された

*2:マージダ・エル・ルーミー(1956-):レバノンを代表する女性歌手の一人。

*3:ニザール・カッバーニー(1923-1998):シリアの著名な詩人。多くの詩がアラブ歌謡の歌詞になっている。